ガンマナイフとは、半球状に配置された201個の線源(コバルト60)から出るガンマ線を一点に集中して照射することで、頭の中の病変を治療する定位放射線外科治療装置です。
開頭する必要はなく、主に脳腫瘍や脳動脈奇形などを治療します。
メスで局部をえぐりとるようにガンマ線で集中照射することから、「ガンマナイフ」と呼ばれています。
病変部に正確、かつ限局して照射することにより、正常部への放射線被爆を最小限に抑えながら、病巣部への高線量を集中照射することができます。
誤差は、0.5mm以下です。
ガンマナイフは、従来の放射線治療のような開頭手術の補助的治療にとどまらず、症例によっては頭蓋内疾患の治療の主役ともなりえるものです。
対象疾患は、脳腫瘍全般・脳血管奇形・三叉神経痛やパーキンソン病に伴う手のふるえ等、脳外科が扱う疾患の多くの分野にわたり、それぞれについてガンマナイフは主要の治療法の一つとして威力を発揮します。
歴史の浅い治療法のため、数十年後の合併症など長期的問題については未解決ですが、脳に病気をかかえた患者様に対しては、低侵襲(頭を切らない)で、しかも短期間(入院3日間)で治療ができ、一定の効果が期待できる有力な手段といえます。