顔の半分にけいれんを起こす病気があります。
多くは目の周りのぴくつきから始まり、徐々に口の周りにひろがります。
緊張が高まったり、疲れがたまったりするとひどくなることが多く、対面での会話の際にも顔が引きつってしまい、相手に心配されることもあります。
また、けいれんとは異なり、片側の顔に激痛を生じる病気があります。
洗面やひげ剃り、歯磨きや食物をかんだり飲み込んだりするとき、ひどいと話しをする際にも短時間の鋭い痛みが走ります。
ちょうど冷たい氷を急に飲み込んだときにおこる頭痛のようだと表現されます。
ひどくなると食事がとれなくなるなど、日常生活におおきな支障を生じるようになります。
前者は顔面けいれん、後者は三叉神経痛という病名がついています。
ともに脳深くにある脳幹というところから出る顔面神経、三叉神経という太い神経の根元に血管があたって起こります。
これは丁寧な問診と、特殊な方法で撮影したMRIで診断が可能です。
治療はどちらも手術が第一選択です。
この手術は専門的な技術が必要となり、症例が少ない病院では診断自体が間違っていたり、おおきな傷とおおきな開頭を行っても症状が治らなかったりすることがあります。
私は顔面けいれん、三叉神経痛を合わせて今までに500例以上の手術執刀経験があります。
小さな傷と開頭により短時間で手術を行い、治癒率は顔面けいれんで95%、三叉神経痛で98%となっています。
この病気に対する経験が少ない施設では、手術をせずに長年にわたり薬物治療や注射などで経過をみることがありますが、全身状態も良く、麻酔に耐えられる状態であれば、手術により迅速な症状の改善が得られます。
顔のけいれん、顔の激痛で悩んでおられる方は、是非とも専門外来を受診してください。
専門外来診療
曜日 | 木曜日(午後) |
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担当医 | 大橋元一郎 |